認知症のオストメイトのストーマケア
病気やけがなどで腹部に便や尿を排泄する部分を人工的に作った部分をストーマと言います。このストーマをつけている人のことをオストメイトと呼びます。幼少期からストーマをつける人もいますが、成人してからオストメイトになる人も少なくありません。高齢になると大腸がんなどの病気によりストーマをつける人が多くいます。排泄は人間にとって非常にデリケートな問題であり、精神的に深いダメージを負うこともあります。特に、認知症を発症している場合は、なぜストーマが必要なのか当人が理解できず、上手に不満や不安を訴えることができないまま辛い思いをすることもあります。
ストーマケアで問題となるのは、便意を感じることができないということです。本来であれば、オストメイト本人が定期的にトイレへ行き、自分でストーマ交換を行うのが基本とされていますが、認知症の場合、症状の重さにもよりますが自分で行うのは困難だと言えるでしょう。介護者が決まった時間にトイレへ誘導して交換してあげる必要があります。本人の自尊心を傷つけないように配慮することも大切でしょう。外出する際には多機能トイレやストーマケアに対応しているトイレを事前にチェックしておくことも大切です。ストーマは肌に直接器具を取り付けるために、違和感や不快感を感じるオストメイトもいます。認知症の場合、無理にストーマを外そうとすることもあります。介護者はオストメイトの立場に立って、不安やストレスの解決法はないか考えることが大切でしょう。